お茶の旅
2026.03.06

台湾茶の対米輸出、再び関税免除へ|トランプ政権2026年新関税の法的根拠と免除のポイント整理

台湾茶の対米輸出、再び関税免除へ|トランプ政権2026年新関税の法的根拠と免除のポイント整理

皆さん、こんにちは。

茶葉マニアのAndyです。

トランプ大統領が新たな関税政策を発表し、

茶葉の輸出に影響が出るのではと心配されている方も多いと思います。

嬉しいことに、茶葉は引き続き関税免除となっています。

今回の政策について整理しましたので、ぜひご覧ください。


今回の新たな関税とは?

2026年2月20日、トランプ大統領は大統領令に署名し、

米国に輸入されるほぼすべての商品に対して、

追加で10%の従価税(ad valorem duty)を課すことを宣言しました。

発効日は2026年2月24日午前12時01分(米国東部標準時)で、

有効期間は150日間、2026年7月24日までとなっています。


今回の法的根拠は、

1974年通商法第122条(Section 122 of the Trade Act of 1974)という比較的まれに使われる条項です。

これは、トランプ大統領がこれまで用いてきた第232条(国家安全保障)や第301条(不公正貿易慣行)とは異なります。

第122条は、米国が「国際収支の根本的な不均衡」に直面した場合、

大統領が輸入品に対して一時的な制限措置を取る権限を付与するものです。


ホワイトハウスの公告では以下のデータが引用されています:

2024年の米国の物品貿易赤字は1兆2000億ドルに達し、経常収支赤字はGDP比4.0%と2008年以来最大、

対外純投資残高はGDP比マイナス90%と主要経済国の中で最も悪い水準です。

これらのデータが第122条を発動する法的根拠となっています。


茶葉に追加関税は課されますか?

いいえ。茶葉は明確に免除リストに含まれています。

大統領令の附属文書(Annex I・Annex II)には、

免除対象品目のHTSUS(米国統一関税表)税番が詳細に列挙されており、

茶葉の全税番が含まれています:


税番品目説明
0902.10.10 / 0902.10.90緑茶、小分け包装(≤3 kg)
0902.20.10 / 0902.20.90緑茶、大包装(>3 kg)
0902.30.00紅茶・半発酵茶(烏龍茶含む)、小分け包装
0902.40.00紅茶・半発酵茶(烏龍茶含む)、その他包装


つまり、台湾が輸出する烏龍茶・紅茶・緑茶などの主力製品は、

今回の10%追加関税の対象外となっています。

免除の理由は「米国内で十分な量を生産できない農業原料」に該当するためで、

コーヒーやカカオと同じカテゴリーに位置付けられています。

昨年の相互関税免除と同じ論理であり、

茶葉の米国農業輸入体系における地位は安定していると言えます。



関税免除でも注意すべき点は?

1. 免除には期限があります

今回の免除は2026年7月24日までです。

議会による延長やトランプ大統領による新たな発表がなければ、

関税の枠組み全体が見直される可能性があります。


2. 原産地の問題は関税率よりも重要です

茶葉が免税であっても、米国税関・国境保護局(CBP)の審査の焦点は常に「原産地」です。

茶葉は農産物として一般的に「完全取得品(Wholly Obtained)」とみなされ、

収穫地=原産地となるため、台湾茶にとっては有利な条件です。

ただし、第三国を経由して迂回輸出した場合、

税関から収穫地証明・製造工程記録・工場情報・原材料トレーサビリティの提出を求められます。

これらを提供できない場合、免税品であっても検査の長期化・追徴課税・返送処分を受ける可能性があります。


3. USTRによる第301条調査が開始されています

同じホワイトハウスの発表の中で、

トランプ大統領は米国通商代表部(USTR)に対し、

「不合理または差別的な貿易行為・政策・慣行」を対象とした第301条調査の開始を指示したことが明記されています。

台湾が調査対象に含まれた場合、

今回の免除とは別に新たな関税が発生する可能性があり、引き続き注視が必要です。

まとめると、茶葉は米国の関税引き上げ対象から2度連続で除外されており、

台湾茶産業にとって非常にポジティブなシグナルです。しかし、

関税免除は輸出コンプライアンスからの免除ではありません。

透明性のある産地証明、完全なサプライチェーン書類の整備、

そして関税法規の変動への継続的な追跡こそが、

台湾茶が国際市場で安定して競争力を維持するための真の基盤です。

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。

また次回お会いしましょう。



公式文書出典

大統領令:https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2026/02/imposing-a-temporary-import-surcharge-to-address-fundamental-international-payments-problems/


ホワイトハウス・ファクトシート:https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/02/fact-sheet-president-donald-j-trump-imposes-a-temporary-import-duty-to-address-fundamental-international-payments-problems/


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