お茶の旅
2025.11.28

アメリカへの茶葉輸出が相互関税の対象外に|厳しさを増す国際貿易環境で、輸出業者が注意すべきポイントとは?

アメリカへの茶葉輸出が相互関税の対象外に|厳しさを増す国際貿易環境で、輸出業者が注意すべきポイントとは?

皆さん、こんにちは。

茶愛好家の Andy です。


2025年11月14日、ホワイトハウスは正式に発表しました:

茶葉は相互関税リストの対象外となり、追加関税は課されません。


公式発表リンク:

https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/11/fact-sheet-following-trade-deal-announcements-president-donald-j-trump-modifies-the-scope-of-the-reciprocal-tariffs-with-respect-to-certain-agricultural-products/


これは、台湾茶業界にとって非常に明るいニュースです。

しかし、世界の貿易環境がますます複雑かつ厳格になる中で、関税が免除されることだけでは、スムーズな輸出は保証されません。

HSコード、原産地規則、第三国経由輸出のリスクなど、茶葉と関税に関するいくつかの重要なポイントを理解しておく必要があります。

今回は、これらのポイントを一つずつわかりやすくご紹介します。



1. HSコードとは?なぜ茶葉の輸出に重要なのか?

HSコード(Harmonized System Code)は、世界税関機構(WCO)が策定した国際共通の商品分類コードです。

関税率、輸出入の管理、原産地の決定に使用されます。

構成は次の通りです:

- 章(Chapter):最初の2桁

- 項(Heading):最初の4桁

- 号(Subheading):最初の6桁(国際共通)

- 各国はその後、独自の管理目的で8桁または10桁に拡張可能

つまり、HSコードは輸出先国での関税率や検査方法に直接影響します。



2. 茶葉のHSコードは?

茶葉は主にHSコード09章(コーヒー、茶、マテ及び香辛料)に分類されます。分類は以下の通りです:

- 緑茶:0902.10、0902.20

- 烏龍茶・紅茶(半発酵・完全発酵):0902.30、0902.40

- フレーバーティーやティーバッグ:2101.20

台湾から輸出される茶葉の多くは、0902に該当します。

この分類は、関税適用・原産地認定・商品検査に非常に重要です。



3. アメリカ向け輸出時の注意点は?

たとえ関税が免除されていても、安心してはいけません。アメリカにおいて最も重視されるのは「価格」ではなく、原産地です。

アメリカの税関(CBP)では、関税判定の最初のステップとして常に次の点を確認します:

この商品はどこの国で生産されたのか?

原産地が不明確、または第三国経由の疑いがある場合、税関は検査を開始します。

証明書類が不十分な場合、たとえ関税が免除されていても:

- 通関遅延

- 追加課税

- 輸入拒否や返品

などのリスクがあります。



4. 「実質的変更(Substantial Transformation)」とは?

原産地を判定する際の重要な概念が実質的変更です。

つまり、ある商品がある国で加工され、別の商品に生まれ変わったかどうかが問われます。

各国の判断基準は異なります:

- 「章」が変われば変更と見なす国

- 「項」の変更で十分とする国

- 「号(Subheading)」の変更(CTSH基準)を要求する国など

アメリカの場合、HSコードの変更だけでなく、以下の3点も重要視されます:

- 名称(Name)

- 性質(Character)

- 用途(Use)

これらがすべて変わっていない限り、「実質的変更がない」と判断され、原産地の変更にはなりません。



5. 原産地=「主な価値が創出された場所」

原産地は「どこで出荷されたか」や「どこで梱包されたか」ではなく、商品の主な価値が生まれた場所です。

たとえば:

日本で主要部品を製造 → タイで切断・組立 → アメリカに輸出

最終加工がタイであっても、主要技術・機能・設計が日本で行われているため、原産地は日本と見なされます。

茶葉についても同じ考え方が当てはまります。



6. 茶葉の原産地=収穫地?変更されるケースは?

茶葉は農産品であり、通常は「完全取得(Wholly Obtained)」に該当し、収穫地=原産地となります。

たとえば、烏龍茶や紅茶のリーフ製品は、他国でブレンドや再包装されても原産地は変わりません。

ただし、加工度によって例外があります:

- ティーバッグ:カット、計量、封入などは本質的な変更とみなされないため、原産地は収穫地のままです。

- 抽出エキス、ペットボトル茶、缶入り飲料:加工によって性質・名称・用途が大きく変わるため、主要加工地が原産地と判断される可能性があります。

つまり、深い加工が施された場合、原産地は必ずしも茶葉の栽培地とは限らなくなります。



7. 第三国経由でアメリカに輸出した場合のリスク

ベトナム・タイ・シンガポールなどの第三国を経由してアメリカに輸出すると、税関にとっては要注意対象になります。

原産地偽装の疑いがある場合、CBPは次の書類を求めます:

- 収穫地の証明書

- 加工履歴

- 梱包記録

- 工場情報

- 原料トレーサビリティ

提出できない、または不一致があると:

- 検査の長期化

- 追加関税

- 高リスク輸入業者として登録

- 輸送品の返送

などの処置が取られる可能性があります。

つまり、透明なサプライチェーンと原産地証明の整備が、関税免除以上に重要です。



8. 「透明な原産地」が台湾茶最大の競争力

アメリカで茶葉の相互関税が免除されたことで、台湾茶は世界市場で有利になりました。

しかし、今の国際貿易環境において本当に重要なのは:

- 原産地の明確な証明

- 製造履歴の完全な管理

- 第三国経由の回避

- 商品のトレーサビリティ確保

台湾茶の最大の価値は、透明性、安全性、そして高品質。

これらを確実に守ることで、台湾茶は国際市場でも安定的かつ持続的に展開していけるでしょう。


今回の内容が、皆さんの輸出実務に少しでも役立てば幸いです。

また次回お会いしましょう。



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