お茶の旅
2025.12.19

茶葉に食品問題が起きたら?追跡・追溯の基本を解説

茶葉に食品問題が起きたら?追跡・追溯の基本を解説

皆さん、こんにちは。

茶好きのAndyです。

食品安全の問題は、日常的に発生しています。

茶葉そのものが健康に深刻な影響を及ぼすことは稀ですが、

一度食品のサプライチェーンに入ると、

完全な追跡・追溯システムが必要になります。




茶葉の食品安全における「追跡・追溯」とは?

「追跡・追溯」とは、食品に問題が起きた際に、

原因となる原材料や製造過程をさかのぼって調査し(追跡)、

その製品がどこへ流通したかを先に向かって追う(追溯)ことを指します。


追跡(トレースバック)は、現在から過去への調査で、

問題の茶葉がどこから来たのか、

どの原料が使われ、

どの工程や作業者が関与したのかを確認します。


追跡(トレースフォワード)は、過去から現在・将来への調査で、

同じ原材料がどの製品に使用され、

どの顧客に出荷されたかを確認し、

回収が必要かどうかを判断します。




茶葉の追跡・追溯にはどのような内容が含まれる?

縦方向と横方向の両方があります。


縦方向の追跡には以下が含まれます:

- 同一ロット製品の追跡

ロット番号、生産日、パッケージ仕様、数量など。

一つの商品に問題があれば、

同じロットの在庫をすぐに特定できます。


- 原料の検査

茶葉の産地、仕入れロット、

農薬残留・重金属などの検査データ。


- 包装資材の検査

包装資材のロット番号、食品接触材質の検査、

同一ロットの資材が他製品に使われているか。


- 作業員の情報

当日の担当者、勤務シフト、

異常操作や工程の逸脱の有無。


- 在庫と販売数量

生産量、在庫量、出荷済み数量、販売先情報。

回収の要否や範囲を判断するための重要なデータです。


横方向の追跡・追溯:

同じ原料が他の製品に使われているかどうかを確認します。

例えば、

同じ茶葉が異なる重量・種類の商品やギフトセットに使われている場合、

原料に問題があれば、すべての製品が調査対象になります。




茶葉の追跡・追溯を管理するための数式はある?

実務では、以下の基本的な数式で追跡・追溯の整合性を確認できます:


原材料量=在庫+半製品+ロス+サンプル+販売量


この数値が合わない場合、

追跡・追溯に不備があることを意味します。


よくあるミス:

- 他製品への原料使用

- 誤った仕入れ記録

- サンプル使用の未記録

- 加工ロスの設定ミス

- 盗難




法的に茶葉の追跡・追溯は必要?

基本的には必要です。

茶葉の輸入業者や、資本金3,000万台湾ドル以上の食品業者は、

法令で明確に義務付けられています。

義務対象でない場合でも、

食品安全事件が発生した際には、

政府機関は業者に完全な追跡・追溯データの提出を求めます。

つまり、制度に違いがあっても、

実際に問題が起きた場合、

追わないという選択肢はほぼありません。


今回はここまでです。

お役に立てれば幸いです。

また次回お会いしましょう。


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