お茶の旅
2025.06.06

巨人の薬を飲んだ小緑葉蟬|遊山茶訪の中華軍配飛蝨

巨人の薬を飲んだ小緑葉蟬|遊山茶訪の中華軍配飛蝨

皆さん、こんにちは。

茶好きの Andy です。


小緑葉蟬(Jacobiasca formosana) は、茶畑でよく見られる害虫です。

この虫に吸汁されると、茶葉に甘い蜜香が生まれますが、

数が増えすぎると、茶樹の生育が悪くなり、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。


小緑葉蟬は非常に小さく(約 3〜4 mm)、見つけにくいです。

ですから、茶畑で明らかに見える「小緑葉蟬」がいたら、

それはたいてい 中華軍配飛蝨(Kallitaxila sinica) です。


中華軍配飛蝨 は大きめ(約 7〜10 mm)で、

その形はまるで小さな戦闘機(F-117 ナイトホーク)のよう。

ですが、茶樹への被害は軽微で、主要な害虫ではありません。


以下に比較表をまとめました。識別にご活用ください:

項目 カリタキサイラ・シニカ(Kallitaxila sinica) ヤマトシロオビミドリチャバネ(Jacobiasca formosana)
和名 中華軍配ヨコバイ 小緑葉蝉(チャノミドリヒメヨコバイ)
学名 Kallitaxila sinica Jacobiasca formosana
軍配ヨコバイ科(Tropiduchidae) ヨコバイ科(Cicadellidae)
上科 フルゴロイデア上科(Fulgoroidea) メンブラコイデア上科(Membracoidea)
亜目 頸吻亜目(Auchenorrhyncha) 頸吻亜目(Auchenorrhyncha)
体長 約7〜10mm 約3〜4mm
体型 扁平で葉に似ており、擬態能力が高い 細長く流線型、小さくて敏捷
翅の外観 大きくて軍配のよう、静止時は体を覆う 狭くて体に密着し、胴体と一直線
体色 緑〜淡黄緑で葉に擬態しやすい 明るい緑でやや透明感がある
飛行・跳躍 短距離飛行、動きは遅め 跳躍が主で動きが素早い
生息環境 森林の縁、果樹、茶畑の葉の裏 茶畑の新芽や若茎部分
被害の程度 軽度で、現在は主要害虫ではない 主要な茶園害虫で、経済的影響が大きい
被害の仕方 植物の汁を吸い、局所的な黄化を引き起こす可能性 新葉の汁を吸い、葉が巻いて蜜香が出る
生態的役割 擬態昆虫として観察・教育的価値がある 害虫指標であり、茶の品質と収量に影響


次に茶畑で、少し大きくて動きが鈍い「小緑葉蟬」を見かけたら、

それはたぶん「中華軍配飛蝨」かもしれません!


皆さんの茶ライフに役立つ情報になれば幸いです。

また次回お会いしましょう!


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