お茶の旅
2025.10.31

製茶過程での食品安全リスク:潤滑油の見落としがちな危険性

製茶過程での食品安全リスク:潤滑油の見落としがちな危険性

皆さん、こんにちは。

お茶愛好家のアンディです。


お茶づくりにおいて、農薬残留以外にも様々な食品安全上のリスクが潜んでおり、特に注意が必要です。

製茶設備の導入により、人手の負担が大きく減り、生産効率も向上しました。

しかし、設備の使い方を誤ると、食品安全の見えないリスクとなることもあります。

その中でも見落とされがちなのが、設備潤滑油の存在です。




製茶設備のどの部分に潤滑油が必要?

製茶の工程では機械の稼働が頻繁であり、以下のような部位に潤滑油が使用されます:

- 空気圧縮機:圧縮空気を供給する設備で、潤滑油がエアシステムに混入すると茶葉の汚染を引き起こす恐れがあります。

- コンベアの軸受(ベアリング):摩擦や騒音を抑えるため、定期的な潤滑が必要です。

もし食品用でない潤滑油を使用すると、気化、滴下、飛散などによって茶葉が化学的に汚染される危険があります。




どのような潤滑油が製茶設備に適している?

食品製造用の設備には、以下のいずれかの国際規格に適合した食品グレード潤滑油(Food Grade Lubricants)を使用すべきです:

- NSF H1 等級:食品と偶発的に接触する可能性のある場所で使用可能。

- ISO 21469 認証:衛生設計と製造管理が行き届いた製品であることを示します。

詳細はこちら:

[https://www.nsf.org/food-beverage/commercial-food-equipment/nonfood-compounds-chemical-registration-certification/food-grade-lubricants-iso-21469-certification]




使用中の潤滑油が基準を満たしているか確認する方法は?

NSFの公式サイトで、ブランド名や製品型番を入力すれば、登録番号や等級を確認できます:

[https://info.nsf.org/USDA/Listings.asp]

購入前に、必ずサプライヤーからの報告書を確認しましょう。




万が一、潤滑油を誤って摂取するとどうなる?

食品グレード潤滑油でも、「摂取」ではなく「偶発的な接触」が前提です。

非食品グレードの潤滑油には、重金属や硫化物、多環芳香族炭化水素などの有害成分が含まれていることがあり、

長期間摂取すると肝臓や腎臓への負担、神経系への影響、さらには発がん性のリスクがある可能性も。

したがって、潤滑油が製茶エリアに侵入したり、茶葉と接触したりしないよう、徹底的な管理が必要です。




潤滑油による茶葉汚染を防ぐための対策は?

- 空気圧システム設計:オイルフリーの空気圧縮機を使用するか、冷凍式乾燥機とオイルセパレーターを設置し、油分の侵入を防止。

- 機械の防護構造:ベアリング部には油封やカバーを設け、油漏れを防ぐ。

- 保守記録と教育訓練:食品グレード潤滑油の定期交換と保守記録の管理。

H1、H2、H3等級の識別と使用制限についてスタッフへの教育を実施。




お茶は自然の恵みです。

製造過程でのわずかな汚染でも、その純粋さと安全性は損なわれてしまいます。

細部にまで目を配ることで、「安心」して美味しいお茶を楽しめるのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

では、また次回!


#遊山茶訪 #台湾茶 #ウーロン茶 #凍頂茶 #観光工場 #FSSC22000 #安全茶 #安心茶 #潤滑油 #食品安全 #食品グレード潤滑油 #H1潤滑油 #ISO21469 #製茶設備 #茶工場