お茶の旅
2025.06.13

茶葉のブレンドと併堆(へいたい)とは?

茶葉のブレンドと併堆(へいたい)とは?

皆さん、こんにちは。

私はお茶愛好家の Andy です。


「このお茶って、併堆されたもの?ブレンドされたもの?」


台湾ではこの言葉が批判的に使われることがあります。

しかし実際には、ブレンドと併堆は茶葉の製造工程において非常に一般的で重要な要素であり、非常に難易度の高い技術でもあります。

正しく行われれば、製茶師の風味に対する理解と芸術性を示すことができます。

今回は、ブレンドと併堆とは何か、それぞれの意味と価値についてご紹介します。



ブレンドと併堆とは?

ブレンド(Blending)と併堆(Batch Merging)は似ているようで、実際には少し異なります。

- ブレンド:異なる品種、産地、収穫時期、発酵度の茶葉を特定の比率で混合し、より安定した、または層のある風味を作り出す技術。

- 併堆:同じ品種、同じ産地、近い時期に製造された茶葉を精製段階でまとめて処理・調整することで、品質の一貫性と加工効率を高める技術。

簡単に言うと、ブレンドは「創造のため」、併堆は「安定のため」です。



なぜブレンドや併堆を行うのか?

茶葉は、気候、摘み取り時期、製茶師の技術など様々な要因の影響を受けるため、風味に差が生じます。


ブレンドや併堆は以下のような効果をもたらします:

1. 風味の安定化:特に大量生産やブランド茶において、風味のバラつきを抑えることは品質維持のために重要です。

2. 全体品質の向上:やや欠点のある茶葉も、優れた茶葉とブレンドすることで風味が整い、口当たりが柔らかくなります。

3. 特徴的な風味の創出:熟練したブレンダーは比率を巧みに調整し、層のある豊かな風味を生み出すことができます。

4. 効率と歩留まりの向上:併堆によって茶葉全体の品質が統一され、ふるい分け、焙煎、包装などの精製作業が効率的になります。



ブレンドや併堆が難しい理由

これらの作業は単なる「混ぜ合わせ」ではなく、豊富な経験と繊細な感覚が必要な高度な技術です。

ブレンド師や併堆担当者は、しばしば製茶の全工程に精通しています。


難しさの理由は以下の通りです:

- 風味の予測が困難:異なる茶葉の香りや味が互いに影響し合い、足し算ではなく、逆効果になることもあります。

- 配合比率の調整が繊細:わずかな比率の違いが風味に大きな変化を与える場合があります。

- 茶葉の変動性が高い:茶葉は自然の農産物であり、同じ品種でも季節により風味が異なるため、常に調整が必要です。

- 人手と時間のコストが高い:ブレンドごとに試作・試飲を繰り返し、品質を確保する必要があります。

- 記憶と感覚の負担が大きい:茶葉の外観や茶湯の色、香りなどを記憶し、風味特性を判断した上でブレンド・併堆を行います。



なぜブレンドや併堆はネガティブに捉えられるのか?

台湾では、「ブレンド」や「併堆」という言葉が「混ぜ物」「質の悪いものを混ぜてごまかす」といった否定的な印象を持たれることがあります。

これは長年にわたる情報の不透明さによって生まれた誤解です。


主な理由は以下の通りです:

- 過去の市場の混乱:一部の業者が「ブレンド」という名目で、低価格の茶や輸入茶を混入し、品質がばらついていました。

- 情報の非公開:茶葉の構成や出所が消費者に開示されず、不安を招いていました。

- 「単一茶園=高品質」という誤解:「手摘み・単一茶園」の茶葉が高級と見なされる一方で、ブレンド茶が「純粋でない」と思われがちです。


しかし実際には、単一茶園で香り・甘み・コクのすべてを備えた完璧な茶を作ることは極めて困難であり、

もし存在してもその量は非常に少なく、価格も高額になります。



結論

良いブレンドや併堆は、職人の技術と責任感の表れです。

それは決して手抜きではなく、風味への追求と品質へのこだわりです。


情報公開と誠実な表示が前提であれば、この技術は正しく理解され、再評価されるべきものです。


今回はここまで。

お読みいただきありがとうございました。

また次回お会いしましょう。


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