皆さん、こんにちは。
お茶好きの Andy です。
アレルゲンとは、食品安全における潜在的な危険因子の一つです。
卵、乳製品、ナッツ、エビやカニなど、日常的な食材の中に含まれることがあります。
しかし、世界中のどの食品法規にも「茶葉」はアレルゲンとして分類されていません。
では、「お茶とアレルゲン」について全く気にしなくても良いのでしょうか?
今回は、このテーマについて一緒に考えてみましょう。
アレルゲンとは?
「アレルゲン(Allergen)」とは、人体の免疫システムに反応を引き起こす物質を指します。
免疫が無害な物質を「敵」と誤認すると、
皮膚の赤み、喉のかゆみ、呼吸困難などのアレルギー症状を引き起こすことがあります。
食品安全の分野では、アレルゲン管理は HACCP や FSSC 22000 システムの中で非常に重要な要素です。
目的は「交差汚染(cross-contamination)」によるリスクを防ぐことです。
よくあるアレルゲン
国や地域によって異なりますが、主なアレルゲンには以下のようなものがあります:
分類 | 例 |
| 卵類 | 鶏卵、鴨卵 |
| 乳製品 | 牛乳、ホエイ |
| ナッツ類 | ピーナッツ、アーモンド、クルミ |
| 穀物類 | 小麦、オーツ麦、大麦 |
| 魚介類 | 魚、エビ、カニ |
| 大豆製品 | 豆腐、豆乳、味噌 |
| その他 | ゴマ、マスタード、貝類など |
各国の法規では表示義務が異なります:
- 台湾:13種類の主要アレルゲン
- 日本:「特定原材料」と「推奨表示原材料」
- EU:14項目を明確に表示義務
- アメリカ:FDAにより9種類の主要アレルゲンを規定
各国のアレルゲンは同じですか?
完全には一致しません。
気候、食文化、体質などが異なるため、法規もそれぞれ異なります。
例えば、日本では「そば」が必ず表示すべき項目に含まれ、
EUでは「亜硫酸塩」などの食品添加物も含まれます。
茶葉自体はいずれの主要アレルゲンにも分類されませんが、
他の食品や包装材と接触することで、
交差アレルゲン汚染のリスクが発生する可能性があります。
お茶の分野で注意すべきポイント
茶はアレルゲンではありませんが、製造工程ではいくつかの注意点があります。
1. 包装資材の成分
アルミ袋の表面に、滑りを良くするため微粉が散布される場合があります。
アレルゲンを含む粉末の使用は避け、
SGS食品接触試験 に合格したもの、または FDA 21 CFR 177.1520 / EU 10/2011 に準拠した素材を選ぶことが推奨されます。
2. 作業員が使用する手袋
ラテックス手袋を使用すると、ラテックスたんぱく質によるアレルギーが起こる場合があります。
粉なしニトリル手袋(Nitrile Gloves) を使用し、
ラテックス微粒子による汚染を防ぎましょう。
3. 生産環境での交差汚染
お茶工場でミルクティーパウダーやクッキーなど乳製品を扱う場合、
作業区域と器具を明確に分け、アレルゲン交差リスクを防ぐ必要があります。
4. 個人の行動管理
製茶や包装エリアでは飲食を禁止します。
小さなことのように見えても、ピーナッツや卵のたんぱく質片が混入するのを防ぐ重要な対策です。
「茶葉はアレルゲンではない」とはいえ、
お茶工場やブランドはアレルゲン管理の観点からリスクを予防する必要があります。
それは食品安全の基本であり、消費者の健康への敬意でもあります。
本日はここまで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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